Pro bioの効果について-基礎研究3

K12株の歯周病に対する効果を確認するために、口臭がある被験者23人を対象に、K12株投与による効果を評価した。
その結果、試験開始1週間後にK12株を投与した場合では、プラセボ群に比べて、口臭の指標となる揮発性硫黄化合物(VSC)が、有意に低下していた。口腔内のフローラ解析の結果、K12株を投与した場合では、コントロール群に比べてフローラの変化が大きかった。

これらの現象を理解するために、K12株を内在させたプレートに、試験参加の患者2名の唾液を塗抹して培養した場合、K12株が存在する場合は(図右)、黒色色素生産性細菌の増殖が抑えられることが確認された。
また、表に示すように、K12株による被験者AおよびBの唾液中の黒色色素生産菌の菌数は、それぞれ92%、62%と大幅に減少した。

基礎研究3

研究課題:
歯周病菌に対するストレプトコッカス・サリバリウスK12の作用効果
実験方法:
K12を血液寒天培地で培養し、その後、歯周病患者2名の唾液をその上にらせん状に塗布する。
歯周病患者では、黒色色素産生菌(Porphyromonas gingivalis, Provotella intermedia,
Bacterioides, Fusobacterium)など歯周病に関係した菌が多く存在するので、血液寒天培地中で増殖すると、黒色のコロニーを作ることが知られている。
結果:
K12(シャーレーの右側)は、コントロール(無処置/シャーレーの左側)と比較して、黒色色素
産生菌に対して、強力な増殖阻止効果を示した。
BLIS社の内部資料:
Burton, J.P., Chilcott, C.N., Moore, C.J., Speiser, G., Tagg, J.R. A preliminary study on the effect of probiotic Streptococcus salivarius K12 on oral malodour parameters. Journal of Applied Microbiology. 100:745-764 (2006).

K12による黒色色素産生菌の増殖阻止作用

歯周病患者 コントロール
(CFU/ml)
K12
(CFU/ml)
増殖阻止率
サンプルA 1.7×10*6 1.4×10*5 92%
サンプルB 7.9×10*6 3.0×10*6 62%

※CFU:Colony Forming Unitの略(増殖コロニーの数)
※コントロールは無処置

コントロール