犬の歯周病は、愛犬のさまざまな健康状態にも影響するとされる大きな問題として最近特に注目されるようになってきましたが、Brimingham大学など英国の3大学の共同研究での最新の知見成果が注目されています。
この研究では、223匹の犬を、歯周病のないグループ、歯肉炎になっているグループ、歯周病を持つグループの3グループに分け(1グループ72-77匹)、プラークの中の口腔内フローラの分析を行いました。
その結果、正常グループから歯周病グループに症状が悪化するに従い、菌叢が徐々に変化することが確認されました。
全てのグループで、Porphyromonasが共通に検出されましたが、健康な犬のグループと歯周病グループでは明確なフローラの違いが確認されました。健康な犬のグループには、グラム陰性菌のMoraxellaとBergeyellaが多く、歯周病のグループでは、グラム陽性嫌気性菌、Peptostreptococcus、Actinomyces とPeptostreptococcaceaeが多く確認されました。
本試験によると、過去に小規模な試験での類似報告はあるものの、これだけ多くの犬の口腔内プラークサンプルで統一的解析された例がないとのことで、改めて、歯周病の発生に関連した口腔菌の特徴が明らかにされたことになり、今後、口腔フローラの管理が歯周病予防の観点でますます注目されると考えられています。
引用元
PLosOne 2013, 8, e83158
A cross-sectional survey of bacterial species in plaque from client owned dogs with healthy gingiva, gingivitis or mild periodontitis.